.com 値上げ 2026:11月1日までにリセラーが確認すべきこと

Verisign は2026年11月1日から、.com の新規登録と更新にかかる年間のレジストリ料金を10.26ドルから10.97ドルに引き上げます。値上げ幅は0.71ドル(約6.92%)です。ドメインリセラーにとっては、この日以降に処理するすべての .com 更新で、サプライチェーンの最上流のコストが上がることになります。まず見直すべきは更新価格と利幅です。

要点まとめ

  • 適用開始日:2026年11月1日
  • Verisign が挙げた取引:新規登録と更新。.com の移管では通常、登録期間が1年延長されるため、移管価格も確認してください。
  • 今回の変更の対象外:ICANN が別途徴収する年0.20ドルの取引手数料
  • 今すぐ確認:近づいている有効期限、自動更新の設定、顧客向け価格表、キャンペーン終了後の更新価格、現地通貨建ての価格、アカウント残高、WHMCS や WiseCP での価格設定

10.97ドルとは何の金額ですか?

10.97ドルは、Verisign が ICANN 認定レジストラに請求するレジストリ段階の料金で、リセラー価格でも小売価格でもありません。Verisign は2026年4月23日、2026年第1四半期決算の発表にあわせてこの金額を公表しました。リセラーが Domain Name API に支払う価格、ICANN の手数料、最終顧客が購入手続きの画面で目にする価格は、いずれもチェーンのさらに下流で決まります。

この時期は .com の価格決定の枠組みに沿ったものです。米国 NTIA によると、現行の条件では6年のうち4年で7%の値上げが認められており、2026年9月1日より前の卸価格の引き上げは一切認められていませんでした。料金が2024年9月に10.26ドルとなって以来、今回が初めての変更です。

値上げは価格表にどう反映されますか?

.com の価格は4つの段階を経て、段階ごとにそれぞれのコストと利幅が上乗せされます。そのため、レジストリの値上げ額がすべての段階で同じ金額のまま伝わることはほとんどありません。

  • レジストリ(Verisign)は、認定レジストラにレジストリ料金を請求します。
  • レジストラは、ICANN にも取引手数料を支払い、決済処理、通貨換算、サポート、インフラの費用を負担したうえで、リセラー向けの卸価格を設定します。
  • リセラー(ホスティング会社、制作会社、ドメイン販売店など)は独自の利幅を上乗せし、ドメインをホスティング、メール、DNS、SSL とセットで販売することも多くあります。
  • 最終顧客は小売価格を支払います。現地通貨建てで、税込みの場合もあります。

ICANN の手数料は別枠です。ICANN のレジストラ手数料表では、認定レジストラは、登録・更新・移管のうち該当する猶予期間(グレースピリオド)を過ぎても有効なものについて、1年分ごとに0.20ドルを支払います。Verisign の発表はこの手数料を変えるものではありません。説明のためだけに両方を合計すると年10.46ドルから11.17ドルになりますが、これは誰かが提示する価格ではありません。

値上げが小売価格にどう表れるかは、価格設定の方法で決まります:

  • 定額の上乗せ(例:原価 + 3.00ドル)なら、小売価格は原価とほぼ同じ額だけ上がります。
  • 原価に対する定率の上乗せなら、小売価格は原価より大きく上がります。原価に30%を上乗せしている場合、0.71ドルの値上げで小売価格は約0.92ドル上がります。
  • 小売価格を据え置くなら、値上げ分はすべて自社の利幅で吸収することになります。

ドル以外の通貨で販売している場合は、2段階で計算してください。まず米ドル建てのコストの変化を計算し、次に想定為替レートを適用します。価格が付加価値税や売上税込みであれば、その税も反映させます。為替の動きは、0.71ドルのレジストリ値上げより大きな影響を及ぼすことがあります。現地通貨建ての価格表は、Verisign の発表だけを根拠にせず、現在のコストと想定為替レートをもとに更新してください。

価格を改定する前に、まず自社のコストを確認してください。Domain Name API の価格表で .com の現在の登録・更新・移管価格を比較し、上記の価格設定方法を実際の数字に当てはめてください。

0.71ドルの値上げは、.com ドメイン100件・1,000件・10,000件でいくらになりますか?

1年間更新する .com ドメインの数 変更前のレジストリ料金(10.26ドル) 変更後のレジストリ料金(10.97ドル) 年間の差額
100 1,026ドル 1,097ドル +71ドル
1,000 10,260ドル 10,970ドル +710ドル
10,000 102,600ドル 109,700ドル +7,100ドル

これらの数字は、Verisign のレジストリ料金部分の変化だけを示しています。Domain Name API やその他の事業者からの請求額ではありません。実際のコストには、ICANN の手数料、レジストラの価格設定、通貨換算、税金も含まれます。

多くの場合、より大きな問題は利幅への影響です。あるリセラーが .com の更新1件ごとに3.00ドルの粗利を得ているとします。原価が0.71ドルまるごと上がり、小売価格が変わらなければ、粗利は2.29ドルとなり、24%近く減ります。7%に満たない原価上昇でも、もともと薄い更新の利幅からは、はるかに大きな割合が失われかねません。

登録・更新・移管の価格は個別に確認しましょう

登録、更新、移管はそれぞれ別の商品として価格が設定されているため、個別の確認が必要です。この拡張子の登録ルールについては、.com ドメインのページをご覧ください。

  • 登録:初年度の価格はキャンペーン価格であることが少なくありません。2年目以降に顧客が目にする更新価格が、11月以降のコストをまかなえるか確認してください。
  • 更新:顧客が利用を続ける限り同じドメインが毎年更新されるため、値上げの影響が積み重なるのはここです。最初に見直してください。
  • 移管:Verisign の発表が挙げているのは新規登録と更新ですが、.com の移管では通常、登録期間が1年延長されます。移管価格は変わらないと決めつけず、利用している事業者の移管価格を別途確認してください。
  • 復旧(リストア):リデンプション(Redemption)と復旧の料金は別に設定されています。更新の運用上ドメインを失効させることがあるなら、これらも確認してください。

早期更新はいつ得になりますか?仮定に基づくモデル

変更が適用される前に事業者が現在の価格で更新を処理する場合、早期更新をすれば、追加する年数分は低いコストのまま確保できます。ただし得になるのは、そのドメインがどのみち更新される場合に限られます。ドメインごとに判断してください。

実行する価値があるかどうかは、次の5つの要素で決まります:

  • 期間は置き換わらず、追加される。早期更新では、現在の有効期限を起点にドメインが延長されます。すでに支払った期間が失われることはありません。
  • 10年の上限:.com は最長で10年先までしか登録できないため、残存期間が長いドメインほど延長できる余地は小さくなります。
  • 更新の見込み:前払いで更新したドメインを顧客が後から手放せば、0.71ドルを節約するために更新料金の全額を支払ったことになります。単純なモデルでは、損益分岐点となる更新率は「旧コスト ÷ 新コスト」です。レジストリ料金だけで計算すると、10.26 ÷ 10.97で約93.5%になります。これはレジストリ料金をもとにした例示であり、すべてのリセラーに当てはまる基準値ではありません。同じ式を自社のコストで計算してください。
  • 資金繰り:前払いすると、支出が最大12か月早まります。
  • 誰が支払うか:早期更新の費用を顧客が支払うなら、更新のリスクは負いません。顧客に代わって前払いするなら、リスクはすべて自社が負います。

計算例:ある仮想のリセラーが、2026年11月から2027年3月までに有効期限を迎える .com ドメインを400件持っているとします。説明用の合計コストとして現在の10.46ドルと変更後の11.17ドルを使うと、次のようになります:

  • グループ A(150ドメイン):顧客は次の期間分をすでに支払っているか、前払いの複数年契約を結んでいるため、更新は事実上確実です。早期更新による節約額は150 × 0.71ドル = 106.50ドルです。その代わり、今後5か月にわたって支払うはずだった1,569ドルを今すぐ支払うことになります。
  • グループ B(250ドメイン):この顧客層の過去の更新率は約80%です。250件すべてを早期更新すると、更新が見込まれる200件で142ドルを節約できますが、手放されると見込まれる分で50 × 10.46ドル = 523ドルが無駄になり、期待値では381ドルの損失になります。

この例で合理的なのは、グループ A を早期更新するか、その顧客に現在の価格での早期更新を提案し、グループ B は通常の更新サイクルのままにしておくことです。

.com の価格は2026年以降も上がりますか?

さらなる値上げの可能性はありますが、発表されたものはありません。現行の契約では、6年間の契約期間のうち4年で最大7%の値上げが認められていますが、Verisign には認められた値上げをすべて実施する義務はありません。2027年、2028年、2029年の価格はいずれも公表されていないため、固定の予測ではなく、今後の値上げがある場合とない場合の両方のシナリオで計画を立ててください。

Domain Name API で進める11月前のチェックリスト

新しいレジストリ料金が適用される前に、次の手順を進めてください。各項目では、リセラーに共通する確認事項と、Domain Name API で再販している場合の作業場所をあわせて示しています。

  • 近づいている有効期限:今後12か月以内に有効期限を迎える .com をすべて、リセラーパネルまたは請求管理システムからエクスポートしてください。特に2026年10月下旬から12月にかけての分に注意が必要です。
  • 現在のコスト:リセラーパネルとドメイン価格ページで、.com の現在の登録・更新・移管・復旧価格を確認してください。このページには Reseller、Premium、Platinum の各ティアの価格が並べて表示されます。更新後の価格表と比べられるよう、数字を控えておきましょう。
  • 顧客向け価格表と請求管理:WHMCS、WiseCP、HostBill、Blesta、ClientExec、あるいは REST API で構築した自社の販売サイトなど、利用している請求管理システムで .com の価格がどう設定されているかを見直してください。販売しているすべての通貨で登録・更新・移管の価格を更新し、請求書に反映される前に換算と端数処理を確認してください。
  • キャンペーン終了後の更新価格:キャンペーン価格で登録したドメインが、新しいコストをまかなえる価格で更新されるようにしてください。
  • 利幅:.com の更新1件あたりの利幅を計算し直し、値上げをどう価格に反映させるかを決めてください。
  • 自動更新の設定:リセラーパネルと請求管理システムの両方で、自動更新のオン・オフが想定どおりになっているかを確認してください。
  • 変更日前後の更新:早期更新の計画に頼る前に、取引を送信する時点で表示される価格を確認してください。11月1日前後の更新について不明な点があれば、Domain Name API のサポートにお問い合わせください。
  • アカウント残高:残高不足で更新が失敗しないよう、10月と11月の更新に先立ってリセラー残高に入金しておいてください。
  • 顧客への通知:何が、いつから変わるのかを、わかりやすい言葉で、利用規約で定めた通知期間内に顧客へ伝えてください。

よくある質問

.com の値上げはいつから適用されますか?

Verisign の新しいレジストリ料金は2026年11月1日から適用されます。自社に適用される価格がいつ変わるかは利用している事業者によって異なるため、その事業者の価格表とお知らせを確認してください。

値上げ幅はいくらですか?

レジストリ段階で1ドメイン・1年あたり0.71ドルで、10.26ドルから10.97ドルになります。ICANN の0.20ドルの取引手数料は別で、変更はありません。

リセラー価格はちょうど0.71ドル上がりますか?

そうとは限りません。事業者の価格には、その事業者自身のコスト、通貨換算、端数処理、価格方針が反映されます。ドル以外の通貨で販売している場合は、為替レートを別に考慮してください。

.com ドメインは早めに更新すべきですか?

早期更新が向いているのは、更新される可能性が非常に高いドメインか、早期更新の費用を顧客が支払う場合に限られます。さらに、変更前に現在の価格で更新が処理されることが前提です。

既存ドメインの期間は変わりますか?

変わりません。ドメインの有効期限は現在のままで、すでに支払った期間に新しい料金が適用されることもありません。

値上げは .com の移管にも影響しますか?

影響する可能性があります。.com の移管では通常、登録期間が1年延長されるため、11月1日以降は利用している事業者の移管価格を別途確認してください。

.com の価格はまた上がりますか?

上がる可能性はあります。価格に関する条件では現行の期間中にさらなる値上げが認められていますが、Verisign が発表しているのは2026年11月1日の変更だけです。

次に取るべき3つのステップ

  1. .com の有効期限をエクスポートしてください。対象は今後12か月分で、各ドメインの自動更新設定もあわせて確認します。
  2. 更新の利幅を計算し直してください。事業者の値上げ後のコストを使い、そのうえで価格表と請求管理システムを更新します。
  3. 早期更新はドメインごとに判断してください。対象は、更新がほぼ確実なドメインか、費用を顧客が負担するドメインに限ります。

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出典と前提

  • Verisign、First Quarter 2026 Results、2026年4月23日:レジストリ料金の変更と適用開始日。
  • ICANN、Registrar Fees:取引ごとに課される0.20ドルの手数料。
  • NTIA、The .com Cooperative Agreement、2024年11月29日:価格決定の枠組み。
  • ポートフォリオ、利幅、早期更新に関する数字はすべて、レジストリ料金と記載した前提に基づく仮定の例です。Domain Name API の価格や顧客データではありません。